コロナ禍における税理士業務~クラウド会計(freee・MFクラウド)の活用~

こんにちは、公認会計士・税理士の国近です。

新型コロナウィルスが猛威を奮っており、私達の生活や仕事などに様々な影響がでています。

税務業務に関連しても、申告期限の延長・納税猶予など国税庁が日々案内を出しています。
国税庁-新型コロナウイルス感染症に関する対応等について

また、補助金・助成金に関しても経済産業省などが持続化給付金をはじめとした施策を打ち出しています。また、融資制度も拡充されています。
経済産業省-持続化給付金
※リンクは切れてしまうかもしれません。。。

外出自粛に加え、いわゆる3密やソーシャルディスタンスを確保するよう要請され、企業ではテレワークが進んでいます。
コロナ禍と呼ばれる状況下では、お客様と税理士間のやり取りも直接訪問や紙資料のやり取りからウェブ会議・データでのやり取りに変えて、物理的な接触を減らす必要が出ています。

物理的な接触を減らす解決策の1つとしてクラウド会計の活用があります。

1.クラウド会計(freee・MFクラウド等)とは

クラウド会計(freee・MFクラウド等)は、クラウド上で利用する会計システムとなります。

最近では、freee・MFクラウドに限らず、弥生会計・TKCなど他の会計ソフトについてもクラウド版があるため、既に利用している会計ソフトがクラウド版に対応しているのであれば、ご利用のソフトをクラウド版に変える。。。ということも考えられるかもしれません。

クラウド会計を利用すると、常に最新データがクラウド上で保有されるため、顧問先と会計事務所の間で試算表の受け渡しなどを行う必要がなくなるなど、バージョンミス等を防ぐことができるとともに効率化が図れます

2.クラウド会計(freee・MFクラウド)のメリット・デメリット

クラウド会計(freee・MFクラウド)のメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。

No 項目 クラウド会計 従来
1 効率性
※銀行口座・クレジットカード・他システムとの連携可能

2 制度改正への対応
3 バックアップ
4 コスト
※初期費用は無いが、プラン変更の可能性がある

※初期費用があるが、
コストは安定的
5 UIの変更可能性 ×
6 ソフトの重さ

1.効率性
クラウド会計は、ネットバンキングやカード会社のデータを自動連携可能なため、自動で明細を取得することが可能です。
※ただ、同期を漏れなく行うことは必要です

(1)金額の正確性を担保しやすい(転記ミスが防止できる)
自動連携することで、入出金や利用履歴を会計ソフトに反映することができ、従来のように紙資料を基に会計ソフトに入力→最終的な残高が合わずにミスを手修正・・・というような業務が大幅に削減できます。

経理業務の中で、銀行明細を基に手入力することはかなり大きな負担だと思います。また、税理士から通帳やネットバンキングの入出金明細を依頼されることがなくなることも考えられ、業務の効率化が見込めます。
※ただ、①原本を確認したい・②同期が適切に行われていない等の理由により通帳・ネットバンキングの入出金明細を依頼される可能性はあります

(2)定型仕訳の自動化が可能
また、freee・MFクラウドの特長として、定型仕訳を自動化することが可能な点が挙げられます。
※非常に便利な機能ですが、設定をミスすると悲惨なことになるので気を付けましょう

2.制度改正への対応

従来の会計ソフトは、インストールの手間がかかり、更新まで多少のタイムラグがあることがありました。
クラウド会計を利用すれば、自動更新のため、消費税増税や法改正等があってもインストールする手間・追加コストがありません。freee・MFクラウド側で更新を行ってくれます。

3.バックアップ
クラウド会計のデータは、クラウドサーバーに保管されます。
従来の会計ソフトだと、バックアップを行う必要があり、手間がかかります(この点、自動設定が可能なソフトもあります)。また、万が一保管し忘れた場合に、重大な影響があります。
※ただし、クラウド会計を利用していても、データが上書きされてしまうため、定期的なバックアップは取っておいた方がよいです。

4.コスト
クラウド会計は、ソフトを購入しないため初期費用はかかりません。しかしながら月額(年払いも可能)で料金を支払う必要があります。さらに、利用料が改定される可能性があり、毎月一定の維持費、つまりランニングコストがかかります。

従来は、ソフト購入なので安くても数万円します。クラウドは初期投資がない分、月額数千円となります。
※ただ、利用料改定のリスクがあります

5.UIの変更可能性
クラウド会計を使っていて気になる点として、改善のため、UI(ユーザーインターフェース)が定期的に変更されます。
旧バージョンの画面も使えることも多いのですが、頻繁に変わるため、旧バージョンで慣れている人は使いづらい場合もあり、人によっては慣れるのに時間がかかることがあります。

6.ソフトの重さ
クラウド会計はネットワークに接続して利用するため、従来の会計ソフト比較すると、画面遷移に時間がかかります。
毎日使っていると地味にストレスを受けることがあるかもしれません。

3.まとめ

今回は特に最近お問合せ頂くことの多い、クラウド会計について書きました。
勧めてるのか勧めてないのかよく分からない感じになってしまいましたが、
利用している人の感想を聞くと、概ね好意的なのではないでしょうか。
※ただ、利用料改定については厳しい声が多い気がします

特にコロナ禍における会計事務所の対応として、物理的な接触を減らす1つの解決策にクラウド会計(freee・MFクラウド)を利用することは十分考えられることだと思います。

会計事務所によっては、クラウド会計のうち、freee・MFクラウドどちらかのみの対応という会計事務所もありますが、弊社はfreee・MFクラウド両方に対応していますので、お気軽にお問い合わせよりご相談ください。

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