消費税⑥~クレジットカード手数料は課税?非課税?~

こんにちは、公認会計士・税理士の国近です。

例えば、建物を売買した際に支払った手数料は課税取引となります。
また、土地の売買は非課税取引ですが、土地を売買した際に支払った手数料は課税取引になります。

飲食店が消費者からクレジットカードで支払いを受けた場合、3%など一定の料率が差し引かれて入金されることが一般的です。
では、元々の売上から差し引かれるいわゆるクレジットカード手数料(売上金額の3%など)は課税取引となるでしょうか、それとも非課税取引となるでしょうか。

1.クレジットカード手数料の消費税の課税関係

いわゆるクレジットカード手数料は非課税取引として扱うこととなります。
支払手数料と同様、課税取引と考えてしまいがちですが、何故、非課税取引となるのでしょう。

以下、クレジットカード手数料の性質から考えていきたいと思います。

2.クレジットカード手数料の性質

例えば、飲食店が消費者からカード払いで10,000円の支払いを受けた場合、クレジットカード会社から手数料が差し引かれて入金されることが一般的です。
クレジットカードの料率が3%ですと、300円を差し引いた9,700円がクレジットカード会社から支払われます。
このクレジットカード会社から差し引かれている300円の性質はどのような性質でしょうか。

ここで、クレジットカード取引は以下のように考えられています。

クレジットカード手数料_消費税

上図の通り、飲食店は①で発生した売掛金(債権)10.000円を②でクレジットカード会社に9,700円で債権譲渡しているといえます。
そのため、差額のクレジットカード手数料300円は債権譲渡損と考えられます。

消費税法上、債権譲渡は非課税とされています。また、その差額(いわゆるクレジットカード手数料)についても非課税となります(消費税法施行令10条3項8号)
※クレジットカード手数料については利息としての性格があると説明されることもあります

(参考)国税庁HP
クレジットカード手数料

3.消費者がカードローンを利用した場合の消費税の取り扱い

一方で、私達消費者が飲食店でクレジットカードで支払った場合、一括払いであれば消費者は手数料がかからないことが一般的です。

ただし、分割払い・リボ払いであれば、消費者は利息相当額を負担する必要があります。当該利息相当額の負担は、金利の性質があるため、非課税取引となります。

4.まとめ

①(カード利用会社にとって)クレジットカード手数料
→非課税取引
②(消費者にとって)カードローンを利用した場合(分割払い・リボ払い)
→金利の性質があり、非課税取引

以上、本コラムではクレジットカード手数料の取り扱いについて執筆しましたが、如何でしょうか。
支払手数料と同様、課税仕入れとして扱いがちですが、クレジットカード手数料は非課税として取り扱われるので気を付ける必要があります。

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