M&A関連~役員退職金②分割支給するとどうなる?分割支給と退職年金~

こんにちは、公認会計士・税理士の国近です。

今回のテーマはM&Aに関連して、役員退職金についてです。
M&Aにおいては、オーナー株主である代表取締役が退任することはよくみられます。
その際に、資金繰り上の問題等により役員退職金を分割支給できるかどうかが問題となることがあります。

今回は役員退職金の分割支給について書きたいと思います。

1.役員退職金の分割支給の可否と損金算入時期

結論から申し上げますと、分割支給につき合理性があれば、役員退職金の分割支給の損金算入は可能です。
ただし、分割期間が長期にわたる場合は損金算入が認められなくなる可能性が高くなる点に留意する必要があります。

資金繰りの都合等の合理的な事情により、退職金を複数回にわたって分割支給する場合の損金算入の時期は、以下の2つが考えられます。

“M&A関連~役員退職金②分割支給するとどうなる?分割支給と退職年金~” の続きを読む

法人決算の一巡 ~法人決算申告までの1年間の流れは?~

こんにちは、スタッフの結城です。

 今回、私は法人の会社様に対して主な会計期間のおおまかな流れや、行っていることを整理してみました。

年間を通して、どのようなことが起こり、経理担当者が作業をする上で留意するポイントをここでおさらいをしていけたらと思います。

※設定として3月決算の会社を指してお話していきますことご留意ください。

 

 そもそも決算とは、1年間会社を運営してきた中での業績のおさらいをする期間となります。

期中で起こった内容に誤りがないかを確認し、正していきます。

そうしてそれを基に各公共機関へ申告を行い、法人税等の税金を納めていきます。

決算の申告を少しでもスムーズに行うため、期中の作業が大切になってきます。

1. 大まかな1年の流れと各ポイントの作業内容

1年間を通しての大枠の流れは以下の図のようになります。

“法人決算の一巡 ~法人決算申告までの1年間の流れは?~” の続きを読む

消費税⑦~期末発生する差異の理由と繰延消費税額等(控除対象外消費税額等)~

こんにちは、公認会計士・税理士の国近です。

今回の記事は消費税の処理についてです。

期中は、通常は会計システムを利用すると、仕訳起票の際に1つ1つ税区分判定をすることで、消費税が自動計算されます。
税抜経理を前提とすると、仮払消費税と仮受消費税が仕訳を起票する都度計算され、期末には残高が積み上がることになります。

期末に消費税申告をする際、改めて消費税額を計算することになりますが、必ずしも①仮払消費税・仮受消費税の差額と、②消費税申告で計算する消費税が一致するとは限りません
※むしろ完全には一致しないケースがほとんどです。期末に仮払消費税と仮受消費税の相殺ができず、消費税が合わない・・・というご相談を良く頂きます

何故、差異が発生するのでしょうか。

“消費税⑦~期末発生する差異の理由と繰延消費税額等(控除対象外消費税額等)~” の続きを読む