会社設立①~個人事業主開業と法人設立の違い~手続き・税金・信用面から分かりやすく解説

はじめまして。シニアスタッフの山内と申します。

メンバーコラムへは初投稿となります。初回コラムのテーマとして、個人事業主と法人の違いについて書いていきたいと思います。
なお、会社設立にかかる資本金については以前の記事をご参照ください。
会社設立~資本金と会社類型~ 資本金はいくらにすべきか

近年、政府による「働き方改革」の推進によって、会社員が副業として事業を行い収入を得ることも珍しいことではなくなってきました。また、会社に属して給与収入を得るのではなく、独立してお金を稼ぐ働き方も社会に浸透してきています。

そのような状況の中で、開業時に個人事業主か法人かどちらにするのか悩む方はとても多いようです。

ざっくりとした違いとしては、個人事業での開業は手続きがとても簡単である一方、一定以上の所得になると税率が高い、法人設立は、手続きが煩雑かつ時間がかかり、税務申告等も専門的な知識を要するが税金面や信用面でメリットが大きいといったものになります。

次項でその違いについて詳しく見ていきたいと思います。

1.個人事業開業と法人設立の手続き

個人事業主として開業するために必須となる手続きは、税務署へ「個人事業主の開業届」を提出するだけです。(通常は「青色申告の承認申請書」も併せて提出)

※従業員を雇う場合や事業規模が大きい場合は別途手続きが必要です

諸費用も税務署へ送付する郵送代程度で比較的簡単に手続きを済ませることができます。

一方、法人を設立するための手続きは、その法人の形態によって様々な方法がありますが、いずれの形態でも煩雑な手続きをいくつもクリアしなければなりません。

下表が、開業時に必要となる手続きです。

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持続化給付金(100-200万円給付金)、感染拡大防止協力金(休業協力金)、特別定額給付金(10万円給付金)は税金がかかる?

こんにちは、公認会計士・税理士の国近です。

新型コロナウィルスが猛威を奮っており、私達の生活や仕事などに様々な影響がでています。

2020/4/30に補正予算が成立し、2020/5/1からは①持続化給付金(個人事業主上限100万円、法人200万円上限)の申請がスタートするなど政府から支援策が拡充されてきています。
持続化給付金の概要(経済産業省HP)
持続化給付金の申請はこちらから(「持続化給付金」事務局HP)

他にも、休業した際に受給される②感染拡大防止協力金(いわゆる休業補償金)や、国民全員に給付される③特別定額給付金(10万円給付金)などの給付金があります。
感染拡大防止協力金の概要(東京都HP)
特別定額給付金の概要(総務省HP)

弊社でもお客様よりお問い合わせを数多く頂いておりますが、これらの給付金を受給した際には税金はかかるのでしょうか
今回は給付金を受給した際の課税関係について書きたいと思います。

1.持続化給付金、感染拡大防止協力金(休業協力金)、特別定額給付金(10万円給付金)にかかる税金

結論から書きますと、各給付金にかかる税金は以下の通りです。
※①持続化給付金及び②感染拡大防止協力金(休業協力金)の消費税の取り扱いについては(4)をご参照ください

給付金 法人税
※法人の場合のみ
所得税
※個人の場合のみ
消費税
持続化給付金
(上限100万円-200万円)
課税
(益金算入)
課税
(総収入金額に算入)
※不課税
(課税対象外)
感染拡大防止協力金
(休業協力金)
課税
(益金算入)
課税
(総収入金額に算入)
※不課税
(課税対象外)
特別定額給付金
(10万円給付金)
非課税 ※不課税
(課税対象外)

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消費税③~適格請求書等保存方式(後編):今後の取引への影響はどうなる?~

こんにちは、公認会計士・税理士の力示龍臣です。

今回は前回に引き続き、消費税の適格請求書等保存方式についてです。
消費税③~適格請求書等保存方式(前編)~

前回記事を踏まえて、今後、取引金額をどのように考えたらいいか書きたいと思います。

.今後、取引金額をどのように考えたらいい?

会社経営者や個人事業主の方は、ご自身が得意先又は仕入先のどちらの立場にもなり得ます。ここで、それぞれの立場に立って取引金額(税込なのか税抜なのか)を今後どのように考えたらいいか検討してみます。考えられる取引パターンは8つ。

【ご自身が仕入先の立場(得意先が仕入を計上する)】

(1)ご自身が免税事業者である場合

①得意先が免税事業者の場合

2023年9月30日(令和5年9月30日)以前において、得意先は消費税の計算を行っておらず、2023年10月1日(令和5年10月1日)以降も得意先が免税事業者であり続けるのであれば、引き続き消費税の計算を行わないため、取引金額が税込金額なのか税抜金額なのかをあまり意識ぜずに、今まで通りの取引金額の交渉を行えば何の不都合も生じないかと思います。

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